2012年12月16日日曜日

静かなる予告を…


新宿オペレッタ劇場支配人でございます。
3年ぶりの再開となりました『新宿オペレッタ劇場18』には、本当に大勢のお客様においでいただきました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
実際、入り口で私をつかまえて「待っていたんですよ、3年も!」と言ってくださったお客様。そのお声がどれだけ嬉しく、また励みになったことか。また、いつもながらに無名な曲をたくさん連ねたわがままな舞台を心から楽しんでくださり、惜しみない拍手を贈ってくださったお客様のお気持ちの温かさ。そして、プログラムで平成25年11月に次回公演決定とお知らせしたところ、終演後、何人ものお客様から「1年も待っていられない。」という真面目なお叱りをいただきましたこと。それらのことが相まって、1年に1本が限界かと思っていた私も気持ちを改めなければと思いました。
よーし、頑張るぞ。1年に2本!
私が主宰を務めるオペラ団体「ガレリア座」の公演後となる平成25年6月下旬か7月上旬くらいを目指して次回『新宿オペレッタ劇場19』を上演したいと思います。まだまだプランは白紙。この年末のお休みを利用して熟考してまいります。詳細はこのホームページにて真っ先にお知らせいたします。どうぞお楽しみに。

2012年11月4日日曜日

御礼

11月2日、無事、3年ぶりの新宿オペレッタ劇場が開催されました。
午後6時30分の開場前から指定席だというのに大勢のお客様がいらっしゃっていただき、開場を10分前倒しにするほどの盛況でした。私、開演前のロビーにいたのですが、「3年待ちましたよ!」「次はいつなんですか?」などのお声を伺うと、本当に復活して良かった、また続けていかなくてはという思いを深くいたしました。
出演者たちは午後の通し練習も気合が入っており、本番でもベスト・パフォーマンスをお見せできたのではないかと思っております。今回の会場がクローズするのが早いもので、出演者がお客様をお見送りできなかったことだけが、支配人である私の心残りです。
当日は訳詞家の三浦真弓もこの日のためにアメリカ・ボストンから駆けつけ、ファミリー総出の賑やかな会となりました。そして打上げはもちろん、劇場ファミリーが大好きな歌舞伎町の中華料理屋和平飯店にて(餃子が絶品!)。日付が変わるころまで皆で飲み、食べ、語り合って劇場再開の労をねぎらいあいました。
さて、次回の新宿オペレッタ劇場は来年の11月。どのような趣向にするかは年末、オーストリアに逃避して考えます。どうかお楽しみに!また、来年、お会いしましょう!
ありがとう…ギャラリーも見てね!

新宿オペレッタ劇場支配人 八木原良貴

2012年10月30日火曜日

カウントダウン!


新宿オペレッタ劇場HPの日付カウントも残り少なくなりました。詰めの練習もいよいよ佳境にさしかかり、いわゆる作りこみの段階に入ってきました。CDにもレコードにもなったことのない楽譜たちに見事に生命が吹き込まれていくこの時期が、私は一番好きです。オペレッタはお洒落で、美しくて、楽しくて、ちょっと寂しくて、見る人聞く人に喜びを与えてくれます。さあ、まもなく開幕です。劇場でお待ちしています!

劇場でお待ちしてます!

2012年10月13日土曜日

立ち稽古もいよいよ


オペレッタがたいへんな理由。それは芝居があり踊りがあること。一本まるまるをやるわけではない「新宿オペレッタ劇場」でも芝居と踊りは欠かせません。膨大な新曲をプロデューサーから押しつけられ、当然暗譜、そのうえ踊れ!芝居もしろ!とあって歌手の方たちは“女工哀史”さながらの労働を課されるのです。でも、新宿オペレッタのメンバーは泣き言ひとつこぼさず笑顔で“労働”をこなします。よほどオペレッタが好きなんでしょうね。ほら…(くわしくはギャラリーをご覧ください)

インドラの国で~朝の五時まで!

2012年10月9日火曜日

オペレッタのCD


この話を本気で始めると長くなります(だから本気は出しません)。LPからCDの移行に多少ためらいのあった私のCDコレクションデビューは1985年5月3日です。最初に買ったCDはセル(言うまでもないですがクリーヴランド管弦楽団の指揮者ジョージ・セルです)の「スラヴ舞曲集」とスウィトナー指揮の「魔笛」全曲でした。残念ながらオペレッタではなかったんですね。それで、最初に買ったオペレッタというと、今でも廉価版で手に入るウィーン・フォルクスオーパーの来日実況録音盤の「ウィーン気質」でした(ちなみにLPで買った最初のオペレッタはボスコフスキー指揮の「こうもり」)。最近のオペレッタCDの路線は二つ。タウバーやローテンベルガ―の頃の懐かしい録音の発掘路線と、メルビッシュ音楽祭の実況録音やドイツCPOがこつこつ録音しているシリーズなど現在のセッションものです。前者はとにかく奥が深くて、どこから探してくるのか予想もしない音源が突然大量のシリーズになって出てくるのです。ファンにとっては嬉しい悲鳴。今年の正月にウィーンに行ったとき、あまり期待もせず立ち寄ったCD屋で新シリーズを発見。正確には“新”ではなく、何点かの有名作品は日本のタワレコでも目にしていたのですが、まあ、驚いたことにこのシリーズにはこれまでどこからも出されていない珍しいオペレッタの全曲が山のように出ていたのです。ああ、何ということでしょう!正月のケルントナー通りを私は大量のCDを抱えて歩くはめになったのです。とにかくオペレッタCDの収集は突然襲ってくるリリースの危険と、それに伴う莫大な出費を覚悟しなければなりません。もし、これからこの道に入ろうと思っている方々、よくよく考えてから始められますように!

はじめてのCD

2012年9月23日日曜日

いよいよ練習開始!


9月21日、13時の新宿村スタジオ。オペレッタ劇場のメンバーが次々に集まります。ファミリーと呼んでいるだけあって、久しぶりだというのに、いつもの“オペ劇らしい”柔らかな雰囲気で稽古が始まります。音のチェックや歌い方の確認などが主な課題ですが、さすが手慣れた皆さん、もうずいぶんと表情もついていて、このまま舞台が始まってもいいようなナンバーも数多くありました(ギャラリーに初稽古風景を掲載しています)。プロデューサーの私が、まず出演者の皆さんに謝ったのは、今回の公演の曲数が22曲に及んだこと。公演時間が長いと、お客様にもご負担がかかることはわかっているのですが、3年ぶりの《オペレッタ劇場》…どうしても、はしゃいでしまったのです。でも、楽しい曲、いっぱいですよ~。これを逃すと、もう一生涯、世界のどこへ出かけても、CDをどんなに買い漁っても、絶対に聞くことのできない曲がたくさん演奏されます。来るしかないでしょう。お友達もぜひ誘ってきてください!稽古の後は…当然、宴会です。《オペレッタ劇場》は宴会なしには考えられません。前日まで河口湖で合宿をはっていた佐藤先生は、稽古に来たときヘロヘロだったのに、宴会で元気を取り戻されました!下戸の清水さんと北村さんが居ながら、紹興酒は2本、カラになりました。さすがは《オペレッタ劇場》!

初回の練習、いつもどおり和気あいあいと!


2012年9月8日土曜日

ついに脱稿!


新宿オペレッタ劇場の生命線、訳詞の作業がすべて終わりました。訳詞家の三浦さん、本当にお疲れ様でした。歌曲やオペラだと、音楽と言語(その語感)の組み合わせがとても重要だったりするわけで、原語主義に傾くのも理解できるのですが、庶民の愉しみ“オペレッタ”は聴衆がわかってなんぼ。やっぱり現地語で歌い演じるのがベストだと私は思います。歌だけ原語で台詞は現地語というやり方は中途半端かな。なんとなく潔くない気がします。いずれにしても、新宿オペレッタ劇場の場合、誰にも知られず埋もれている作品を発掘するのですから、音源はもとより作品資料も、ときには作曲家の情報すら何もなく、訳詞作業は限りなく創造作業に近くなります。こんな突拍子もない訳詞作業を任せられるのは日本広しといえど三浦真弓ただ一人。なにせ無茶ぶりなわけですから。それでもこの作業を嬉々として遠いボストンの地で励んでくれることにプロデューサーとしては感謝、感謝です。歌い手も一日も早い脱稿をと願いながら、この困難な作業への理解と協力を惜しみません。こうしてチーム一丸となって、お客様に良い作品をお届けできるよう頑張っています。今月下旬からいよいよ練習もスタート!稽古場の風景などもお送りしてまいります。お楽しみに!

2012年9月7日金曜日

絶品、カレーうどん!


新宿オペレッタ劇場の歌手にはグルメが多いです。佐藤先生はとにかく美味しいものに対する嗅覚が素晴らしく、初めての店に入ってもだいたい外れることがありません。先生がタクトを振る荒フィル(正式名称は荒川区民フィルハーモニー合唱団)の活動エリアにある名店はすべてご存知。オーナーや大将とすぐに仲良くなってしまい、メニューに載らない料理が出てくることもたびたび。北澤さんは私たちファミリーの間で“北澤ベーカリー”と呼ばれています。お手製のケーキやクッキーが練習クールの間に必ず登場するので皆、とても楽しみにしています(今季もよろしく!)。北村先生と私は食べ歩きドライブをします(怪しい関係ではありませんので…)。吉田のうどん、三島のうなぎ等々、それを食べるためだけに行くのです。その贅沢なこと!食道楽というのですね。その影響を受けて、私、職場の仲間と先日、グルメツアーに行きました。まず、お昼は沼津港に行って“ぬまづ丼”です。鯵の干物をまぶしたご飯の上に、とれたての白魚、桜えび、鯵の刺身。平日の昼から飲むビールと相性バッチリ、大満足の逸品でした。そして夜は、金太郎でおなじみ足柄峠を越えた山奥にあるうどん屋さん。テレビを見ていたら漫才コンビのナイツが秘境メシとか言って、はるばる出かけていき、とにかくここのカレーうどんを絶賛していたのです。カレーうどん??ちょっと邪道な感じですが、あまりにウマそうだったんです。本当にこんなところに?と疑いたくなるほど山道をくねくねと上がり、着いた先はなんとも風情のあるお店“足柄古道万葉うどん”。亭主は注文を受けてからうどんを打ち始めます。このうどんを食べるために山道を来させるのだから、どれほどのものかと期待は膨らみます。通常ならスープがカレーのはず。ところがこちらのカレーうどん、カレーの固まったものがうどんの上にオンしています。それをよく混ぜて食べてくださいとのこと。素直にこれを混ぜると、あら、どうでしょう!妥協のないスパイシーさが口いっぱいに広がり、これまたコシのあるうどんとよく絡んで素晴らしき味わい!カレーうどんは邪道?とんでもない!この旨さ、まさに王道です。TVでも紹介されているようで芸能人のサインも見られましたが、一人でうどんを打つ誠実なご亭主におごった様子はなく、とにかく美味しいものを食べてもらいたいという思いが伝わってくる素敵なお店でした。行くのには難儀しますが、それだけの価値は、まちがいなくあります。

これが“ぬまづ丼”だ!
足柄峠から見る富士の夕景
足柄古道万葉うどん
最高に旨い!

2012年9月4日火曜日

夏の思い出


そろそろ近所や電車のなかに、こんがり日焼けした小学生、中学生の姿を見かけるようになりました。最近は9月を待たずに、8月の最終週から授業を始める学校が多いようです。授業時間が足りないとか、教室に冷房があるからというのが理由のようです。でも、なんとなく二学期は9月から始まってほしいような気が私はします。8月の終わりといえば、あわてて下手な工作を作ったり、天気はとりあえず“晴れ”の絵日記をまとめて書いたり、それもまた、忘れられない夏の思い出です。
今年、ザルツブルグに住む妹一家が三週間の休暇で来日したため、私も、大好きな甥っ子とずいぶん久しぶりに“夏”を満喫しました。車で4時間以上かかる南伊豆の海岸に海水浴に行ったり(本格的な海は10年くらいぶりかも!)、ディズニーランドの夜のパレードを甥っ子を肩車しながら見て興奮したり(こちらは10年以上ぶり!夜のパレードは初めて!!)。まあ、なんとも絵日記の題材には事欠かない夏の思い出となりました。
ここ数日、昼間はあいかわらずの暑さですが、夕方になると少しだけ空が高くなるのを感じませんか?ちょっとだけ空気も透き通るような。晩夏~過ぎ行く夏の喧騒からちょっとだけ離れようとするこの季節が私は好きです。イギリス音楽の第一人者として、そのマイナー分野の十字軍として筆をふるった音楽評論家、三浦淳史氏の影響を大いに受けた私は、この季節の夕方、スコッチアンドソーダをたしなみながら、フレデリック・ディーリアスを聴くというスノッブな姿勢を愛好しています。日頃、ワインと日本酒の人なのに、このときだけは麦のお酒を飲むのです。ディーリアスの“何も起きない”音楽、少しだけ寂しげな表情の夕陽、爽やかなスコッチの苦み。そのブレンドのなんと麗しいこと。もし、お試しになろうという方がいらっしゃるようでしたら、指揮者はディーリアスを生涯にわたり支援し続けたサー・トマス・ビーチャムを選ぶことをお勧めします。「楽園への道」は、ディーリアスの手がけたオペラ「村のロメオとジュリエット」の間奏曲をビーチャム自身が編曲した作品で、ビーチャムの惜しみない愛情を感じることができるでしょう。

南伊豆田牛(とうじ)海水浴場

谷川岳に上る

これもまた一興

2012年8月27日月曜日

ぶらあぼ 載ってます!

クラシック音楽大好き人間必携の書、月刊「ぶらあぼ」に広告が載りました。 http://www.mde.co.jp/ebravo/book/201209/#page=130
出演者の写真を替えて3回にわたって掲載される予定です。どうぞ、お近くのホールやレコード屋さんでお手にとってみてください。この「ぶらあぼ」、さすがに皆さん見ておられるようで、9月号が出る8月20日前後にお問い合わせが集中しました。“3年ぶりの復活!すべてのオペレッタファンのために”とサブタイトルにぶち上げたので刺激を受けたお客様がいらっしゃったかも…いてくれたら嬉しいな!という感じです。1階席も残り少なくなってきました。早めのご購入をおすすめします。

2012年7月16日月曜日

チラシ完成!

ようやくチラシが完成しました。 この“字”ばっかりのチラシは《劇場1》からずっと同じ装丁です。私の言いたいことがA4にあふれてしまい、絵も写真も掲載できなかったのです(笑)。ご勘弁を! 劇場スタート当初から変わらないことがもう一つ。7月13日に発売を開始して、すでに四谷区民ホールの1階席は軒並み売れてしまっているという驚異の売れ方!昨日、事務所に予約のお電話をいただいたお客様は「今度で17回目です!」という中毒症状の方(失礼!)。あら、見逃した1回はどの公演だったのでしょう。記録のVTRを差し上げたいくらいですわ!ま、とにかくご好評いただいている《新宿オペレッタ劇場》、じつは売出し時に演奏曲目が完全に決まっていないというのも裏話の一つ。わずか200席の新宿文化小ホールでやったときなど、何をやるか決める前に売り切れていたという驚愕の事実も!お客様の期待の大きさに押し潰されそうです、私。 それでも今回は8割がた曲目も決まりました。あとは歌手の皆さんに怒られないよう、訳詞家三浦真弓の尻を叩きつつ、譜面の仕上がりを待つばかり。さてさて、今回もとびきり楽しい作品を発掘してお届けしますヨ! チケットまだ!という方はお急ぎください。まだ今なら1階席でご覧いただけます!!
こちらへメール下さい。shinjukuoperette@gmail.com

2012年7月4日水曜日

お待たせしました!新宿オペレッタ劇場再開いたします。


新宿オペレッタ劇場プロデューサーでございます。
最後の『新宿オペレッタ劇場17』公演が平成21年11月26日。
あれからまる3年のご無沙汰となります。
その間、お客様からは「新宿オペレッタ、なくなったの?」「どうしてやってくれないの?」「さぼってちゃダメよ!」などなど、励ましやら、催促やら、お叱りやら、いずれにしても再開を希望するお声をずいぶん頂戴しました。
また勝手に私が『オペ劇ファミリー』と呼んでいる、これまでの出演者のみなさんとは、この間、忘年会や暑気払いと称して何度か宴をするたびに、「早く『オペ劇』やれ!」と叱咤されてまいりました。
プロデューサーとしては本当にありがたく、また、頑張らなくては!と思いが日々募り、今年の正月に決断。ようやく3年の月日を経て再開の運びとなりました。
ファンの皆様はご存知のように、『新宿オペレッタ劇場』の売りは何と言っても“埋もれた作品の発掘”。テノールの近藤政伸さんは、以前、私のことを“オペレッタ界の吉村作治”と呼びました。発掘ばっかりやってる…と。私としては身に余る褒め言葉(歌手の方々は見たことも聞いたこともない作品ばかりやらされるので、かなり皮肉を含んでいたようですが…)、これぞ『新宿オペレッタ劇場』の醍醐味なのです。が、そういう演奏会を作るためには楽譜の収集や、楽曲の選択、訳詞の作成、歌手の稽古…と、まあ、それはそれは普通の演奏会の数倍の労力を要するのです。
お客様に聞かせるお話ではないにしても、この演奏会の裏で起こっている出来事こそ、私がなかなか劇場再開に踏み出せなかった本当の理由です。

ですが、今年の正月、私は決断しました。

久しぶり、たぶん3年ぶりに私はウィーンに行きました。
お気に入りの市立公園の散策、ニューイヤーコンサートで疲れ果てたウィーンフィルが気の抜けた演奏をした国立歌劇場の『フィガロの結婚』、どこで食べても大きくて食べ応えバッチリのシュニッツェル。ウィーンはいつもと変わらぬ顔で迎えてくれました。
そして私がウィーンに行くと必ず寄る所がもう一つ。楽譜屋さんのドブリンガーです。シュテファン教会からほど近くの小路に入ったところに静かに佇む、音楽好きなら一度は行きたい楽譜屋さん。出版されているオペレッタの譜面なら、ほとんどそこで手に入ります。でも、私が行くのはそこの古書部。一橋大学大学院の田辺先生に伺って以来、通い詰めているのです。私が行くときは事前に連絡をしておいて、面白い楽譜を準備しておいてもらい、私は、宝物の山に囲まれて至福の時を過ごすのです。
ところがその古書部の様子が今年、ちがいました。
事前に送ったメールには、何故かいつものような返事が来なかったのです。
あれ?アドレスでも変わったのかな?
ま、でも行ってみればわかるか、と、ドブリンガーを訪ねてみました。
すると、店員曰く「古書部は閉鎖しました」。
…言葉もありません。
ドブリンガー古書部は経営上の理由から閉鎖され、スタッフがその建物の階上の一室で、古楽譜屋を開いているとのこと。私は心配な気持ちいっぱいで、その部屋の扉を開けました。少し広めの整理された部屋の中に昔のスタッフはいました。でも、もう昔のように貴重な楽譜は集まらなくなってしまったと言うのです。私がその昔、ドブリンガーの古書部に丸二日居座って、店番をしながらオペレッタの楽譜にかじりついていたのを知っている彼は、悲しそうな表情を浮かべました。なんだか申し訳なくて、ちょっと辛くなって、40ユーロほど僅かな楽譜を手に入れ、30分ほどで私は店を後にしました。もう、ウィーンでも頼れる場所はないのかも…。
そのとき私は思いました。私にこれまでたくさんの宝物を売ってくれた彼のためにも、そして楽都ウィーンの遺産のためにも、その貴重な楽譜たちを世に出そうと。本棚に眠らせてはいけない。音楽は奏でられ、人々に聞かれてこそ命を与えられるのだと。

これが『新宿オペレッタ劇場』を再開するに至った本当の理由です。
インターネットや携帯電話の普及で情報がものすごいスピードで世界を駆け抜ける現在、少しカビのにおいのする古い楽譜を世に送り出す、じつにアナログで手作りな作業ですが、どうか楽しみに見に来てください。聞きに来てください。ウィーンか、ベルリンか、ブダペストか、どこかヨーロッパの片隅に眠っているオペレッタ作曲家たちの思いを受け止めていただければ、プロデューサーとしてこんな幸せなことはありません。

皆様のご来場をお待ちしております。


ザルツブルグ~ウィーンを結ぶ格安鉄道ヴェストバーン


開通間もなくなので清潔車内


映画「第三の男」で知られるプラーター公園の観覧車


観覧車から望む正月のウィーン